たくさんご飯を食べたあとに、

「いまお腹の中に魚が泳いどるわ〜」

などと話をするのが可愛らしくて好きである。

回転寿司に行った後は私のお腹にサーモンがいるし、

焼鳥の後は鶏を1羽飼っていることになる。

 

今日は焼肉ランチだった。

私が肉だけを食べ進める一方、

夫氏はご飯山盛りのお茶碗を手に持っていた。

ご飯が来た時に軽く丼ぶり一杯はあったので大丈夫かと案じていたら、

途中で夫氏は苦しそうな顔になり、私は余ったお肉をもらった。

 

お店を出て、いつもの話をする。

私のお腹にはお肉たちがいて、

夫氏のお腹には…米。米がいる!

あまりにもお腹いっぱいなのでこれはなかなか消化できそうになく、

2人して妄想した。

 

もし、お腹の米が育って稲が生えてきたらどうなるんだろう…

 

ひょっとしたら、それは便利かもしれない。

米は重くて買うのが面倒なので、自分で栽培できたら。

ひょっとしたら、それは未来の我々のあるべき姿なのかもしれない。

草も生えない荒地だけになった未来では、人間の肌の上で作物を育てる。

 

時に稲は脅威となる。

都合よくお腹の上だけで育てていた稲が、

何らかの異常で人間の体全体に広がり、顔まで稲に包まれるのである。

やがて我々は稲によって滅びるかもしれない。

 

 

そんな弱気な妄想になってしまったのは、

30代を目の前にした我々のお腹で胃酸が減り、

お肉の脂身がきつくなってるからという説がある。

増えてくれ胃酸。

そして稲から世界を救ってほしい。