妊婦の日々。その5

まだ半年も経っていないことなのに、記憶が薄れがちである。

今日は5ヶ月の頃の思い出。

 

安産を祈願できるのか

 

念願の安定期が訪れ、そろそろ安産祈願に行きたいなと思っていた。

前々から夫婦で話題にすることはあったが、

日程まではざっくりとした話しかしていない状態。

カレンダーを見る直近の戌の日が土曜日であり、

この日しかない!と思って夫氏に確認する。

 

夫氏「その日は会社の有志のスポーツ大会が…(モゴモゴ)」

 

な、なにーーー!!!

今年から夫氏はあるスポーツにはまっており、

暇さえあれば練習に行くか、動画で上達方法を研究するといった具合であった。

今思えば戌の日にこだわらず祈願に行ってもよかったのだけど、

その時の自分は子どもの大事な行事を後回しにされたみたいで、悔しかったのだ。

 

ねばってねばった結果、

私の行きたかった戌の日に安産祈願に行くことになった。

 

その日の朝も夫氏は少し機嫌が悪かった。

早く終わらせようみたいな雰囲気を感じて、

神社までの道中に自分が泣いていたのを覚えている。

 

だって、やっと安定期までたどり着いたのだ。

子どもを授かれたこと自体が貴重で、

流産にならず、今日まで来られたことは当たり前ではなかったのだ。

それは子をお腹に宿している女性側しかわからないのだろうか。

お互いの気持ちに溝があるようで悲しかった。

 

そのことを夫氏に話せて、ちゃんと聞いてくれたのでありがたかった。

安産祈願自体はとてもすっきりとした気持ちで迎えられた。

帰り道に食べた神社名物の肉まんもとても美味しかった。

 

余談

 

妊娠初期の頃。まだまだ変化のない私の体型を前に、

どうしたら夫氏に少しずつ“お父さん”の自覚をもってもらえるだろうと

考えていた。

たどり着いたのが、パパninaruというアプリである。

予定日を設定すると、毎日どんな感じで赤ちゃんが成長しているか、

ママの気持ちはどうなのか笑、

といったことを教えてくれるのである。

これは里帰りしている今も役立っていて、

夫氏もいつのまにか妊娠・出産にまつわる言葉を知っていたりする。

 

急にお父さん・お母さんにはなれなくて、

ちょっとずつ変化を受け入れることで、近づいていくのだと思う。

 

妊婦の日々。その4

妊婦の日々。には月ごとに何があったか書いておこうと思うんだけど、

ルナルナベビーというアプリのカレンダー機能が役に立っている。

そこに行事類をメモしていたからそれを見ながら。

余談だけど、ルナルナベビーはユーザー間での悩み相談もできて、

優しい回答を頂けることが多いので助かっている。

 

妊娠4ヶ月〜職場への報告

 

職場にいつ妊娠に報告をするか、ということが目下の悩みであった。

それこそ、ルナルナベビーでいろんな人の質問と回答を漁る日々が続いた。

 

結局、直属の上司に話したのが4ヶ月の中頃だった。

私は個人的な報告をするのが苦手だ。

気持ちがいっぱいいっぱいになって、

そこまで思い詰めているわけでもないのに、なぜか泣きそうになったりする。

だけど、上司は「やっぱりね〜」という感じで程よく受け止めてくれて、

1番に体調を気遣ってくれた。

その後同じ係、上長まで4ヶ月〜5ヶ月にかけて自分の口で伝えていった。

皆さん本当に温かい言葉をかけてくれて、感謝している。

 

報告するときに大事なのは、

現在の状態を伝えること(妊娠何ヶ月か、体調はどうか)、

そして、産休・育休のスケジュール希望を示すことだと思った。

私は里帰りを考えていたので、産休前に1週間ほど有休もとれないか

ということを併せて相談させていだいた。

「このスケジュールで取ります!」ではなくて、

「自分としてはこのスケジュールで取りたいのですが、大丈夫でしょうか」

という相談形式で聞くのがよさそう。(したたかだろうか…)

 

早めに話せたおかげで、予定通り休暇に入れたのでありがたかった。

 

つわり、ぶり返す

 

妊娠3ヶ月の頃味わっていたつわりも4ヶ月に入ると比較的落ち着いて、

徐々に普段と同じようなものを食べられるようになってきた。

 

そんな時、実家から旅行のお誘いがあった。

1泊2日で私の住んでいる地方を車で巡るというものである。

車は家族の趣味で車中泊仕様になっていて、

しんどくなったら寝転がったらいいか〜くらいに思っていた。

 

旅先でも以前のようにご飯を食べることができ、

時々疲れを感じつつも、行程を楽しむことができた。

最終日は私の住まいに家族が泊まり、皆で近所の居酒屋さんでご飯を食べた。

 

翌日は出勤。

午前中はいつも通り仕事をしていたものの、

午後になって偏頭痛がする。

トイレで休んでいると、偏頭痛は強い頭痛になって吐き気を連れてきた。

妊娠中に強い頭痛に襲われたのはこの1回きりだ。

自分が思うより疲れが溜まっていたんだろうな。

そして、自分の体調を考えられなかった自分のせいだと思った。

妊娠中に飲める薬を持っていなくて、良くなる見込みもなかったので、

早退させていただいた。

落ち込んでしばらく家で寝た。

 

どんなに体調が上向きであっても、

妊娠中(特に初期)は本調子ではないのだと気づいた。

出かけるかどうかは体調次第、個人差があるとは思うけど、

その後しっかり休息をとった方がいい。反省。

 

つづく。

妊婦の日々。その3

今日(35週目)もまだお子は産まれそうにない。

ということで、これまでの日々をいそいそと記録する。

 

妊娠3ヶ月

 

この頃1番恐れていたのは、流産だった。

自分が思っている以上によくあることだと聞いていたし、

妊娠がわかった時点で双方の両親に話してしまっていたので、

9週の壁(最も流産率が高いと言われる週数)が不安だった。

それを夫氏に話をしてわかってもらえるだろうかという気持ちもあり、

1人で抱え込んでいたように思う。

だから、産院で「順調に大きくなっていますよ」と言ってもらえたときは、

また泣きそうになった。

当たり前に生まれてくる命はなくて、とにかく尊いなぁと思った。

 

vsつわり

 

今思い返すと、つわりはあまりきつい方ではなかったと思う。

朝・晩と時間帯によって影響が出るタイプだったので、

仕事もほとんど休まずに行けた。

それでも苦しい場面は何度もあったので、

つわりのある妊婦さんは本当に無理をしないでほしい。

 

最初に「これはつわり…?」と気づいたことがあった。

 

妊娠3ヶ月になったある晩、仕事から帰ってきてソファでぐったりしていた私に、

夫氏が麻婆春雨を作ってくれた。

私は麻婆春雨が大好きだ。

元気が出たらと思って出してくれたのだろう。

しかし、いつもより味が濃い気がして、

食べると気持ち悪くなり箸が進まない…

あんなに好きな麻婆春雨なのに…と食べているうちに悲しくなってしまう。

結局、半人前も食べられず、眠りについてしまった。

 

それからしばらく味の濃いものが食べられず、

おかゆや雑炊で飢えをしのぐ日々が続いた。

 

そんな日々の支えになったのが、この飲み物である!!

(突然の商品紹介)

そういえば、実家で母の真似をして風呂上がりに飲んだら

美味しかったなぁと思い出した。

試しに1本買って飲んでみたら食事中の気持ち悪さが軽減されて、

これと一緒だと食べられる!というものが増えた。

個人差はあると思うけど、参考まで。

 

つわりは、二日酔いに似てるなぁと常々思っていた。

飲み会の翌日、何も食べたくなくなって、薄い味噌汁だけすするみたいな。

まだ胃に何か残っていて、ずっとムカムカするような。

でも、終わらない二日酔いがないように、

終わらないつわりはない。

1日1日、自分の体調と相談しながら過ごした。

 

つづく。

妊婦の日々。その2

子どもが産まれたら忙しくなるのかな。

ということで、新しい記憶に塗り替えられないうちに

今までの日々を残しておく。

ちょっと生々しくなったらすみません…笑

 

妊娠1ヶ月〜2ヶ月

 

妊娠1ヶ月について、私は盛大な思い違いをしていた。

それは受精してから1ヶ月と数えるのではなく、

前回の生理開始日を起点に数えることである。

なので、1ヶ月目はまだ赤ちゃんは来ておらず、いつもと同じ状態。

 

だいたいの人が気づくのは、妊娠2ヶ月目ではないだろうか。

私も同じ頃で、なんとなく体が熱っぽく、眠たい日々が続いた。

またちょうど基礎体温をつけ始めた頃で、

ルナルナに記録しながら、これはもしや…!と思い始めていた。

 

ネットの妊娠週数を計算するツールで6週目になった頃、

検査薬を試してみたら、案の定陽性だった。

ドラマとか漫画でよく見るやつだーと意外と冷静でいられた。

 

すぐ夫氏に報告する。

おそらく喜んでいた。

あまり記憶がないのは、お互いフワフワしていて

まだ現実味を帯びていなかったからだと思う。

 

その週に、近くの産科に電話して初診予約をとった。

ここでも自分が無知だったのは、

産科と名前がついていればどこでもいいと思っていたことである。

唯一行ったことのあった産婦人科クリニックに電話をかけてみる。

でも、よく考えるとそこには入院設備がない…

妊婦さんたちはどこに行ってしまうんだろう…

不安になりながらかけると、

「ここでは妊娠の確認だけして、別の病院に紹介状書きますよ〜」

とのことであった。(そりゃそうだ)

 

次に近い病院に電話をかけてみる。

こちらはスムーズに予約がとれ、翌週に受診することとなった。

 

初めての産院受診

 

問診票を書き、看護師さんとお話をし、

先生のいる内診室に通された。

エコーで胎嚢を確認し、そこに小さい豆のような胎芽を見つけたとき、

あぁ本当に生きてるんだなぁと少し泣きそうになった。

先生が「おめでとうございます」と声をかけてくれて安心する。

次は1週間か2週間後と言われ、それから母子手帳をとるという段取りであった。

 

病院選びについて、今になって思うことがある。

もし婦人科で通ったことのある病院なら、

そこで内診を受けたときの医師とのやりとりを参考にしてほしい。

もし少しでも気になる言い方、傷つくようなことを言われたことがあるなら、

その病院は避けた方がいいのではないかと思う。

 

妊娠初期、また後期になって内診は何度も受けるもので

その度に苦手意識を持つことはつらいし、

そういった場でデリカシーがないなと気づいてしまうと、

通常の診察においても医師と意思の疎通が図れないなと思ってしまう。

(しゃれではない)

 

私が里帰り前後に受診していた病院は、

どちらも内診含め検査がてきぱきとしていて的確で、とても安心できた。

ありがたや。

 

つづく。

妊婦の日々。その1

初めての出産まで40日を切った。

出産準備もだいたい終わったので、毎日暇を持て余している。

そんな今だから、妊娠してからの日々を自分なりに記しておこうと思う。

 

子どもを授かるまで

 

もともとあまり子どもに興味がない方だった。

結婚して2年あまり。

周りから「そのうち子どもの顔が見られたらいいな」くらいの

言葉をかけられることはあったけど、

何とも鈍感だったのかそれをプレッシャーに思うことはなく、

夫婦2人の生活を楽しんでいたように思う。

何より自分にはバンドという趣味があって、

子どもができることでその時間が奪われることが嫌だった。

 

もう1つ、独身時代から婦人科でPCOSと言われており、

妊娠すること自体が自分にとって現実的ではなかった。

できなかったらできなかったで、今までの生活を楽しもうと思っていた。

 

そんな自分が子どもがいたらいいなと思ったきっかけは2つある。

 

1つ目は甥っ子の誕生である。

産まれてからしばらく私の実家で過ごしていたこともあり、

毎日のように写真が送られてきた。

少しずつ大きくなっていく中でいろんな表情や仕草を見せてくれて、

子どもっておもしろいなぁと思った。

自分がちゃんと大人じゃないと子どもを上手く育てられないんじゃないかと

思っていたけど、成長過程は1人1人違って、

親も一緒に成長していけばいいんだなとも気付かされた。

 

2つ目はコロナ禍で延期していた結婚式を昨年挙げられたことである。

改めて色んな人に祝ってもらえたことで、

どこか慣れ切ってしまっていた2人での生活を

また新しい気持ちで始められるような気がした。

 

つづく。

 

梅と桜と

朝、近所を散歩すると桜のつぼみが膨らんでいた。

中には花開いているものもあり、私の街は今週開花宣言が出ていたことを思い出す。

 

桜が咲くと、私は少し気持ちが焦る。

きれいなうちに早く見なければ!

あぁもう葉桜になってしまった…と悲しくなるので、

何とも落ち着かない、春の象徴だなぁと思ってしまう。

 

一方で、梅は大好きである。

先月は県内にある梅園まで梅の花を見に行った。

 

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(なんか写真が巨大になってしまった)

 

この花の好きなところ。

開花する頃にふんわりと甘い匂いがするところ。

花と枝のバランスが美しいところ。

果実でつくるお酒がおいしいところ。

 

そして、散る花をあまり目にしないところ。

桜と違って、梅は市街地に植わっていることが少ないように思う。

里山や梅園に植わっていることが多く、きれいな頃を見計らって見に行く。

また、梅の花が散る頃は桜の開花時期とも重なるので、

そちらに気をとられがちである。

 

先日、職場の人からローランド(元ホストの方)の本を借りて読んだ。

ローランドは、桜が1番好きらしい。

それも1番綺麗な頃に散るのが良いということだ。

これはローランド自身の生き方とも共通している。

 

梅と桜と、どちらかが好きか分かれ道になるのは、

散る花を受け入れられるかという部分なのかもしれない。

なんだかんだ、今年も満開の桜が楽しみ。

 

夢の話

ミュージカルに出ることになった。

演劇ド素人の私がなぜ選ばれたのかは謎だが、

帝国劇場のような大舞台。

失敗するわけにはいかない。

 

気がついたらフランス貴族のような裾の広がった青いドレスを着せられて、

ヘアセットも仕上がっていた。

 

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(イメージ)

 どうやら貴族社会をテーマにした、歴史もののミュージカルである。

そして、このミュージカルの恐ろしいところは、

本番中なのに自分のセリフを知らないところである。

 

幕間に演出家からセリフを言い渡され、それをぶっつけ本番で演じるのである。

私はたいへん緊張していた。

長台詞だったらどうしよう、

運動神経が悪いので上手く立ち回れるかも心配だった。

 

私の役は女主人で、一家のボス的なおばあさんだった。

一家の邸宅に客人を招き入れるシーンで登場するのである。

 

馬が登場する戦闘シーンが終わり、幕間が訪れた。

緊張がピークに達する中、

ドタバタの舞台裏で演出家から脚本を手渡される。

 

女主人「どうぞ、お召しになって」

(すしざんまいのようなポーズで)

 

セリフはそれだけだった。

想像していたよりもずっと短く、簡単だった。

軽く落胆する。

 

しかし、人前ですしざんまいを披露したことはない。

舞台では緊張で腕の動きが硬くなるかもしれない。

(どうぞお召しになって、どうぞお召しになって…)

幕が上がるほんの数分の間、必死にすしざんまいを練習したのであった。

 

 

これは夢の話である。

今週は仕事がとても忙しかった。

そして来週に向けての不確定な要素が多く、

どうやって準備をするべきかずっと考えていた。

そんな未知なる不安が、

すしざんまいとなって私の夢に立ち現れたのかもしれない。(???)

 

夢っておもしろい。

自分の意識下にあることが、ふいに具体的に出てきたりする。

眠っている間も自分は考えごとをしていたんだなぁと、

しみじみ思ったのであった。